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  • Eiji Mukao Interview
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  • - 情報開発本部についてお願いします。情報開発本部は、主にゲームソフトの開発を行っている部署で、大きく制作部と管理部に分かれています。私の所属している制作部では、企画、プログラム、デザイン、サウンド等の業務があり、私はデザインを担当しています。また制作部ではチーム単位で各ソフトの開発を行っており、スタッフは開発が終わると他のチームに移ったり、新規のプロジェクトを作ったりと柔軟にチームを構成して開発を進めています。- これまで担当された仕事を教えて頂けますか。デザイン業務には、キャラクターデザイン、地形デザイン、エフェクトデザイン、2Dデザイン等があるのですが、その中でも私は入社してからずっと地形デザインを担当しています。地形デザインとは背景デザイン、マップデザイン等とも呼ばれ、その名の通りキャラクターが動くための地形をデザインして制作する仕事です。 これまで、『ゼルダの伝説 風のタクト』、『ピクミン2』、『スーパーマリオ64DS』の開発に携わりました。『ゼルダの伝説 風のタクト』では、入社して初めて作った地形の上をリンクが歩いた時にものすごく感動した記憶があります。『ピクミン2』では、"ねむりの谷"や"のぞみの大地"等の制作を担当し、休日にあちこちいろいろな風景を取材して制作に活かしました。ある日の朝、ディレクターから「とても綺麗な地形を作ってくれてありがとう!」と誉められた時は、がんばって取材してよかったなぁと思いました。 『スーパーマリオ64DS』では、地形デザインの監修とレベルデザイン(難易度調整)を行いました。レベルデザインとは地形にアイテムや敵等を配置して調整する作業です。この時はマリオの生みの親である宮本(宮本茂、専務取締役/情報開発本部長)と一緒に仕事ができてとても勉強になりました。 現在はゼルダの次回作を開発しており、素晴らしいゲームになるよう頑張っています
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  • - 情報開発本部についてお願いします。情報開発本部は、主にゲームソフトの開発を行っている部署で、大きく制作部と管理部に分かれています。私の所属している制作部では、企画、プログラム、デザイン、サウンド等の業務があり、私はデザインを担当しています。また制作部ではチーム単位で各ソフトの開発を行っており、スタッフは開発が終わると他のチームに移ったり、新規のプロジェクトを作ったりと柔軟にチームを構成して開発を進めています。- これまで担当された仕事を教えて頂けますか。デザイン業務には、キャラクターデザイン、地形デザイン、エフェクトデザイン、2Dデザイン等があるのですが、その中でも私は入社してからずっと地形デザインを担当しています。地形デザインとは背景デザイン、マップデザイン等とも呼ばれ、その名の通りキャラクターが動くための地形をデザインして制作する仕事です。 これまで、『ゼルダの伝説 風のタクト』、『ピクミン2』、『スーパーマリオ64DS』の開発に携わりました。『ゼルダの伝説 風のタクト』では、入社して初めて作った地形の上をリンクが歩いた時にものすごく感動した記憶があります。『ピクミン2』では、"ねむりの谷"や"のぞみの大地"等の制作を担当し、休日にあちこちいろいろな風景を取材して制作に活かしました。ある日の朝、ディレクターから「とても綺麗な地形を作ってくれてありがとう!」と誉められた時は、がんばって取材してよかったなぁと思いました。 『スーパーマリオ64DS』では、地形デザインの監修とレベルデザイン(難易度調整)を行いました。レベルデザインとは地形にアイテムや敵等を配置して調整する作業です。この時はマリオの生みの親である宮本(宮本茂、専務取締役/情報開発本部長)と一緒に仕事ができてとても勉強になりました。 現在はゼルダの次回作を開発しており、素晴らしいゲームになるよう頑張っています。- マップデザインの仕事についてお願いします。まず企画が上がってきて、そこからどんな地形がいいかを会議で話し合います。ディレクターが大まかな指示を出してくる場合もありますが、こちらから提案して作業する場合もあります。私はいつも『遊びやすい地形』ということに注意して制作しています。 特に最近主流の3Dゲームでは、地形を複雑にすると方向や場所がわからなくなってしまうので、自分の位置が掴みやすいように注意する必要があります。例えば迷いやすい道では曲がり角に目立つモノを置いてその場所を印象付けたり、場所場所で変化を付けて迷わないようにしたりと工夫しています。- 入社時の採用はデザインだったんでしょうか。はい、デザインの職種で採用されました。大学では日本画を専攻していましたが、趣味で3DCG(コンピューターグラフィックス)の勉強をしていたので、仕事にはその両方が活きていると思います。もともと絵を描くのが好きで日本画を専攻していましたが、趣味で勉強していた3DCG等の経験を活かす進路を考えた時、また、昔からゲームが好きだったこともあって「ゲーム会社へ行きたい」と思いました。日本画は色の感覚等で独自のものがあるので、それをもっと使っていけたらと思います。- 大学ではどういった活動をされていましたか?大学に入ってからは日本画も描いていましたが、それよりも趣味の3DCGの勉強に夢中でした。小さい時からアニメや映画が好きで特に3DCGに興味があったのですが、当時そういったことを勉強する環境には恵まれませんでした。それが大学に入ってみたら、3DCGを勉強する設備が揃っていて、誰でも簡単に3DCGができるんだということに衝撃を受けました。それからは3DCGに夢中になり気づいたら3DCGについては学内でもかなり詳しい方の人間になっていました。学内で3Dグラフィックス講習の講師を経験させて頂いたこともあります。 また、大学の学園祭では、20人くらいで学園祭最大のお店を骨組みから作ったりと大人数で協力して何かをするというのを体験し、みんなで目標を達成する喜びを味わうと同時にその難しさも学びました。自分一人でできることと、みんなで協力してこそできることとは違いますよね。これは仕事においても同じことだと思います。- 人とのコミュニケーションは非常に大事だということですね。そうですね。私はできるだけ相手の意見を一度しっかり受け止めてから、自分の意見を言うようにしています。自分の意見を一方的に言って相手を納得させるだけでは、相手の意見を聞く貴重な機会を失ってしまうので、できるだけ相手の意見を聞いてから話すようにしています。それがなかなか簡単そうで難しいのですが。 大学時代、CDジャケットの制作を依頼されたことがあるのですが、普段自分が一人で好き勝手にやっている作業とは全く違い、依頼者の意見を尊重して作業しました。もちろん自分の意見もしっかり伝えながら。これも現在の仕事と似ているように思います。- 仕事をしていて、なにを感じますか?新入社員の頃はできることも少ないですから、どうしても仕事の枠が決まっていました。でも今は、探せば仕事はいくらでも見つかり、かなり幅が広がって多岐にわたっています。人に教える作業もあるのですが、上手く教えるのは難しいですね。こちらと相手の認識にズレがあると、思ったように伝えることの大変さを感じます。 それから自分のやっている作業以外のこと、例えばゲーム作り全体に対して大きな視点で見られたらいいんですが、なかなか難しいことなんです。落ち着いて全体を見直して、自分の仕事が全体に対してどこに位置しているのかを確認しながら作業しなくては、と思っています。今の仕事は空間的に物事を考える仕事なので、なにか実際にモノを作る時に活かしたいと思っています。 同じ地形デザインの仕事をしている先輩が最近家を建てたのですが、「空間や光の演出、できるだけ部屋を広く見せられるように」といった部分に経験を活かしてるなぁと思いました(笑)。- 制作環境はいかがでしょう。とにかく活気があって、全体的に若い部署だと思います。変に年齢を気にせず、楽しくやりとりができるという雰囲気で、わりと気楽に話もできます。- 休日はどういった過ごし方をしていますか?どこかに出かけたり本を読んだり映画を観たりしています。開発が終わって長期休みが取れる場合は、旅行をしたりしています。会社に入ってからダイビングを始めたこともあって沖縄によく潜りに行きます。プーケットやパラオにも行きました。ダイビングは、普段は味わえない水中の感覚がとても楽しいです。たまに仕事でダイビングの経験を活かしてこういうの作って、と頼まれることもあります(笑)。 それと社内の活動ではスキー部に所属しており、旅行感覚で楽しく参加しています。北海道へ行った時に、雪がひどくて空港へ降りられず、そのまま飛行機が引き返してきたこともあります(笑)。- 今後はどういったことをしていきたいでしょうか。企画やデザインを幅広く、もっと色々なことに挑戦したいですね。広い視野を持ってソフト制作に関われれば、と思います。デザイナーとは言ってもそれだけでなく、遊びのアイディアを考えて盛り込んだりということを積極的にしていきたいと考えています。